「ドクターフィッシュを購入したいけど、どんな飼育用品を揃えればいいのかわからない・・」と、悩んでいる方は多いはず。
知識もなく準備不足を理由に、結果、生き物を不始末な形にしてしまっては本末転倒だ。
そこで、このページでは、初心者の方でも飼育できるように、ドクターフィッシュを購入する前に揃えておきたい飼育用品をご紹介する。実際に、弊社ガラノートでも愛用している用品の使用方法も踏まえて、ご説明していくのでしっかりと読み込んでみてほしい。
そうすれば、あなたもドクターフィッシュの飼育を楽しくスタートすることができるようになる。
それでは、早速みていこう。
目次
ドクターフィッシュ購入前に準備する2つのこと
はやく欲しいからと先走って、すぐにドクターフィッシュだけ購入するのはやめよう、絶対に。
それは、ドクターフィッシュが手元に届く前までに、やっておかなければならない準備が大きく分けて以下2つあるからだ。
- 必要な用品を揃える
- 上記の用品で水作りをしておく
ユーザーの失敗1:手元にドクターフィッシュが届いてから用品を揃えた。
慌てて水槽に水を張り、すぐにドクターフィッシュを入れたが、翌日にすべて死んでしまった。後にもご説明するが、モノには順序がある。必ず準備を完了してから、ドクターフィッシュは手元に届くようにしよう。
上記の失敗は、驚くことによくあるケースだ。このページを読んでいるあなたは、こんな失敗はないのでご安心して欲しい。
それでは、ひとつひとつご説明していく。
必要な飼育用品を揃える
ドクターフィッシュを飼育する時に必要性の高い用品から順番にご紹介していく。そして購入するドクターフィッシュの数が多いほど、必要な用品も多くなっていくことも覚えておこう。
1. ドクターフィッシュの数に適合する水槽を選ぶ
水槽サイズが様々ある。適合な水槽は、あなたが購入するドクターフィッシュの数をもとに選ぶ必要がある。
下表は、ホームセンターなどで販売されている一般的な規格水槽の一覧だ。
規格 | サイズ | 水量 |
30㎝水槽 | 幅30㎝×奥行18㎝×高さ24㎝ | 12ℓ |
45㎝水槽 | 幅45㎝×奥行24㎝×高さ30㎝ | 32ℓ |
60㎝水槽 | 幅60㎝×奥行30㎝×高さ36㎝ | 64ℓ |
90㎝水槽 | 幅90㎝×奥行45㎝×高さ45㎝ | 182ℓ |
120㎝水槽 | 幅120㎝×奥行45㎝×高さ45㎝ | 243ℓ |
注目して欲しいのは、水槽サイズよりも水量のほうが生体数との関係性が深いということだ。
下表は、水槽サイズ(水量)に適した生体数を示している。
規格 | サイズ | 水量 | 生体数 |
30㎝水槽 | 幅30㎝×奥行18㎝×高さ24㎝ | 12ℓ | 10〜20匹 |
45㎝水槽 | 幅45㎝×奥行24㎝×高さ30㎝ | 32ℓ | 30〜50匹 |
60㎝水槽 | 幅60㎝×奥行30㎝×高さ36㎝ | 64ℓ | 50〜100匹 |
90㎝水槽 | 幅90㎝×奥行45㎝×高さ45㎝ | 182ℓ | 200〜400匹 |
120㎝水槽 | 幅120㎝×奥行45㎝×高さ45㎝ | 243ℓ | 300〜500匹 |
もしも上表の規格外水槽をお持ちの場合、
水量の計算方法は、水槽の横幅(m)×奥行き(m)×水深(m)×1,000 で求められる。
横幅60cm×奥行き60cm×高さ45cm(水深35cmで計算)
水量:0.6×0.6×0.35×1,000=126リットル※ 計算が苦手な方は『水槽用計算機』を利用すれば、サイズ入力するだけで水量の確認ができる。高さは、水深で計算することを忘れないようにしよう。
水槽選びは、飼育の基本になるのでしっかりと計画を立てて、あなたに合った水槽をご用意していただきたい。
ご参考までに、以下2つの画像はドクターフィッシュ100匹だ。
2. カルキ抜き
カルキ抜きとは、水中の塩素を中和することをいう。
ドクターフィッシュを含む熱帯魚などは、エラから体内に塩素が入ると、体調を崩す原因に繋がるため中和しなければならない。
水替えや新しく水槽を立ち上げる(水作り)のときに、水道水に混ぜて使用する。使用量は、カルキ抜きのキャップ一杯分で、約30リットル中和できる。
下図の弊社ガラノートで使用しているカルキ抜きは、100円ショップ ダイソーで購入できる。
3. エアポンプとエアレーション
エアレーションは、エアポンプを使って水中内に空気を送り込み溶かし込むことが目的だ。
エアレーションには、一般的に以下3種類ある。
- エアストーン
- スポンジフィルター
- 投げ込み式フィルター
この中で最も一般的なものがエアストーンだ。
下図は『NISSO エアーポンプ サイレントβー120』を使用してエアストーンをつけた状態だ。
このエアポンプは、120cm水槽まで対応可能である上に、吐出口が2つある。吐出口のひとつにはエアストーン、もうひとつにはスポンジフィルターにと多様できる優れたエアポンプだ。
持ち運びも簡単なため、弊社ガラノートでも移動中やイベント先などに愛用している。
4. 餌
ドクターフィッシュは角質を食べるから、餌は不要と思い込んでいる人がいる。実は、人間と同じように栄養豊富な成分を体内に摂取しなくては次第に弱ってしまう。そのため、餌は必ず用意しておこう。
弊社および弊社クライアント様が使っている餌については、『それは違う!ドクターフィッシュの餌は角質だけ?合う餌の選び方4選』を参考にしていただきたい。
5. バクテリア水
バクテリアとは、水中のフンや餌の食べ残しなどの有機物を無機物に変えてくれる役割をする。新しく立ち上げたばかりの水槽内には、バクテリアが存在しないために入れる必要がある。
つまり、ドクターフィッシュが住みやすい水質環境を早く作る手助けをしてくれる。
6. 殺菌用 塩
生体の体調を整える手段のひとつに、塩を使用する「塩浴」がある。
塩浴とは、飼育水に塩を混ぜて0.5%程度の濃度の塩水にして治療する方法だ。 これによって、浸透圧を調整して生体にかかる負担を減らし、体力を回復させることが主な目的となる。
以下の状態の時に使用する。
- 新しい水槽環境にドクターフィッシュを放すとき
- いつもと動きが違う、と感じたとき
詳しい塩の使用方法は、『いつもと動きが違う!そんな時は「塩浴」で体力回復』で確認しておこう。
7. サーモスタッド付きヒーター
ヒーターは、水を保温する役割がある。
季節ごとの温度変化は、水温変化による生体のストレスを引き起こしてしまう。これを制御するために、ヒーターは、ドクターフィッシュの適温30〜32℃を保温できる35℃まで水温調節ができるサーモスタッド付きヒーターを用意しておこう。
下表は、水槽タイプ別に適したヒーターの一覧だ。
規格 | 適合ヒーター |
30㎝水槽(12ℓ) | 50〜100Wヒーター |
45㎝水槽(32ℓ) | 50〜100Wヒーター |
60㎝水槽(64ℓ) | 50〜150Wヒーター |
90㎝水槽(182ℓ) | 300Wヒーター |
120㎝水槽(243ℓ) | 500Wヒーター |
ご参考までに、弊社ガラノートで愛用しているのは、『NISSO ニュープロテクトプラス』だ。
出典:ニュープロテクトプラス
8. ろ過機
ろ過機は、フンや餌の食べ残しなどの有害物質を取り除き、無害化したキレイな水に変えてくれる。
ろ過機には、何種類もあるが水槽に合うものを選ぶようにしよう。購入する水槽にろ過機がセットで付属されているものもある。しかし一方で、ドクターフィッシュを楽しめるように手足の出し入れが邪魔にならないように、外部式ろ過機の購入も選択肢に入れておこう。
下図は、外部式ろ過機のメガパワーだ。水槽サイズに適応し種類も豊富であるために、弊社でも長年使用している。
出典:GEX 外部式フィルター
チェック!
60cm水槽以上でドクターフィッシュを100匹以上飼育したい方は、ろ過能力に優れたものを用意しておこう。上図のろ過機メガパワーはオススメしたい。
9. ウールマット
ウールマット(フィルター) は、目に見える(物理的な)フンや餌の食べ残し、汚物などを水槽内に循環させないように吸着させ、制御する目的で使用する。ウールマットに汚れが徐々に溜まっていくと、水槽内の水の流れがスムーズでなくなり、円滑なろ過サイクルの大きな妨げになってしまう。
10. 掃除道具
カルキ抜きと同様に、下記の掃除道具も100円ショップで購入できる。
- ごみ取りネット
- クリーナーポンプ
- メラニンスポンジ
- バケツ
100円ショップ ダイソーで揃う用品一覧
・カルキ抜き
・バクテリア水
・投げ込み式ろ過フィルター
・ウールマット
・ごみ取りネット
・クリーナーポンプ
・メラニンスポンジ
・バケツ
・水温計
・エアストーンおよびエアチューブ
11. 水質検査器
良い水質環境を維持するためには、水質検査機を利用するといい。
一般的には、以下3つの検査で十分だ。
- PH値
- アンモニア値
- 亜硝酸値
各メーカーから数多く販売されているが、コストを抑え安いものを購入したとしても検査には問題ない。ドクターフィッシュに適した検査方法は、『水質変化を抑えるための3つの水替えルール』をご確認いただきたい。
揃える用品のまとめ
いかがだっただろうか?
ドクターフィッシュを飼育するために必要な飼育用品をご紹介してきた。
実際にドクターフィッシュを購入する際は『ドクターフィッシュは値段で決めない!失敗しない購入先の選び方6選』を参考にしていただきたい。
また、買い物に出かけた時に買い忘れがないように、このページをブックマークして、いつでも確認できるようにしておこう。すべて飼育用品が揃ったら、『水を立ち上げる(水作り)』ことができるようになるので楽しみにしていただきたい。