「ドクターフィッシュの餌は角質だけでいいの?」
私はいつもこう答えている。
「タンパク質の角質だけでは、栄養不足でドクターフィッシュはいずれ体調を崩し、本来の動きを発揮することができない。だから毎日、専用の餌を与え続けている」と。
つまり、角質は副食(お菓子のようなもの)であって、ドクターフィッシュの健康を維持するには、「主食」を与える必要があるということだ。
そこで、このページでは、ドクターフィッシュがすくすく育ち、最高のパフォーマンスを生み出す餌の選び方とその理由を、弊社ガラノートが10年間で経験してきた知見を踏まえて詳しくご説明する。
このページを読むことで、あなたも最適な餌がわかり、食いつき抜群のドクターフィッシュを育てることができるようになる。
是非、じっくりと読み込んで、あなたも参考にしていただきたい。
目次
1. ドクターフィッシュに合う餌の選び方
魚類の生体には動物食と植物食があるが、ドクターフィッシュは、そのどちらも食べる雑食性の生体だ。
共食いもしてしまうほど食欲旺盛なドクターフィッシュだが、実は、ホームセンターや熱帯魚ショップでは、「ドクターフィッシュの餌」というものは販売されていない。
つまり、金魚やメダカのように専用の餌というもの自体がない。
ショップ店員に言われるがままに、熱帯魚の餌を選んでしまっているケースが非常に多い。
あなたはどうだろうか?
私たちガラノートの飼育経験からはっきりと言えることは、健康な状態のドクターフィッシュを飼育していくためには餌選びは非常に重要ということだ。
生き物にとって、餌=食事は、体調を整えエネルギーを見い出す源だということを忘れないでほしい。
では早速、ドクターフィッシュに合う餌とその理由を重要度が高い順にご説明していく。
1-1. 一口で食べれる顆粒状タイプの餌を選ぶ
はじめに、餌には一般的に以下4種類の人工飼料がある。
- フレークタイプ
- パウダータイプ
- タブレットタイプ
- 顆粒状タイプ
その中で最も重要な餌選びのポイントは、口に入るサイズの餌を選ぶということだ。
つまり、食べやすい餌ということだ。
これは当たり前のことだが、単純な間違いをしている方が非常に多い。どれだけ栄養バランスに優れた餌でも、そもそも口に入らなければ食べることができない。
上記4つの中では、「フレークタイプと顆粒状タイプ」がドクターフィッシュには食べやすい餌になる。
フレークタイプは、薄い板状に加工された餌で、水に溶けやすいため消化吸収にいい。
顆粒状タイプは、ドクターフィッシュ生体の大きさによって口径の大きさも違うが、1粒1ミリ超の餌を選べば間違いない。1ミリ超の餌であれば、あなたが既に飼育している、または飼育予定の3センチ前後のドクターフィッシュは、一口で食べることができる。
したがって、食べやすいフレークタイプか、または一口で食べられる顆粒状タイプの餌を選ぶようにしよう。
1-2. 水に溶けにくいタイプの餌を選ぶ
飼育水の汚れは、ドクターフィッシュの体調を悪化させる。つまり、水汚れを引き起こす原因のひとつに、間違った餌を選んでしまうことだ。
なぜならば、餌の成分によって、水に溶けにくいものと溶けやすいものがあるからだ。
特に、フレークやパウダータイプの餌は、水に溶けやすく飼育水が油分で充満して体調を悪化させてしまうので、使用する場合は注意が必要だ。
こうなると必然的に、水に溶けにくいタブレットと顆粒状タイプのどちらかを選ぶが、前述した1-1.より、一口で食べやすい顆粒状タイプが合っている。
弊社ガラノートでは、顆粒状タイプの餌を長年使用している。
どうしてもフレークタイプを使用する場合は、少し面倒だが、油分が飼育水に広がらないように注意しながら、少量ずつ与えるようにしよう。ガラノートでも、以前フレークタイプを使用していたが、1度の餌やりで水汚れが酷かったため使用をヤメた経験がある。
パウダー状(粉末)のような餌を与えることは絶対にやめよう!あなたの貴重な時間が、余計な掃除に奪われてしまうのがもったいない。
1-3. 太らせる餌を選ぶ
「太らせることができる餌」を選ぶことは、ドクターフィッシュの健康や長生きさせるためには必要不可欠だ。
お菓子のような餌を与えていても、一向に成長しないどころか、返ってお金の無駄になる。しっかりと主食にふさわしいタイプを与える必要がある。
フレークタイプは、食べやすく消化吸収がいいが、太りにくい線が細い生体になりがちだ。だからと言って、大量の餌を与えると水汚れを起こす。
一方で、顆粒状タイプは、丸々とガッチリと引き締まった体型に成長していく。
その証拠に、弊社の飼育しているドクターフィッシュに顆粒状の餌を与え始めてからは、体調を落として、死んでしまう生体が激減した。
さらに、弊社クライアント様にも同様に顆粒状タイプを使用してから、極端に生体の補充が激減したのだ。
この理由は、炭水化物をしっかり含んだ顆粒状の餌の効果と水に溶けにくいため水質汚染を軽減した2つの結果からだ。
太らせる餌においても、やはり顆粒状タイプの餌を選ぶようにしよう。
1-4. 沈下性の餌が食べやすい
餌には、浮遊性と沈下性の2種類がある。
水面上に浮かんでいる状態の餌を浮遊性と呼び、主にフレークタイプに多い。一方で、やや重みのあるタブレットや顆粒状タイプには、水槽底に落ちてくる沈下性の餌が多い。
ドクターフィッシュには、沈下性の餌が合っている。それは、ドクターフィッシュの口が下向きだからだ。
沈下性の餌を選ぶ場合でも、結果として、タブレットか顆粒状タイプを選ぶようにしよう。
水槽に「砂利を敷く」場合は、沈下性の餌の食べ残しが原因となり、水質悪化を引き起こすこともあるので注意が必要だ。上記を理由に、弊社および弊社クライアント様では、手足の触れ合いに邪魔になるような砂利や装飾物は、一切水槽内に入れないようにしている。
1-5. ドクターフィッシュに合う餌のまとめ
いかがだっただろうか?
上述してきた通り、ガラノートでは顆粒状タイプの餌だけを使い続けるようになった。
ドクターフィッシュを健康に維持していくために必要であり、さらに水汚れも軽減してくれるため、掃除にかかる時間までも省いてくれる優れた餌ということだ。
ドクターフィッシュには、ドクターフィッシュの特徴を活かし、生きていくために合う食事があるということをかわっていただけたのではないだろうか。
「よく食べるから良い餌だ!」という判断は間違いということを覚えておこう。1ヶ月、2ヶ月そして3ヶ月とモリモリ食べているからと言って、大丈夫ということでもない。安価でどこにでも売ってる餌ほどありがちな例だ。
2. ドクターフィッシュに餌を与える時の3つの注意点
ここまで読み続けていただいたあなたには、実際に弊社ガラノートが行なっている餌を与える時の注意点を3つご紹介する。
とてもカンタンで誰でもやり続けることができるので、興味のある方は、ぜひ読みつづけて参考にしていただきたい。
それでは早速、3つの注意点をみていこう。
2-1. 水流を止めてから餌を与える
弊社ガラノートでは、水汚れを最小限に抑えるために、水中ポンプやろ過機などの設備品の電源スイッチをオフにして、水流がない状態で餌を与えるようにしている。
なぜならば、ポンプが餌を吸い込み、フィルターやろ過機内に入り込み、ろ過機能の低下および水質汚染を防ぐためだ。
電源をオフにするだけで、掃除にかかる無駄な時間を省くことができる。餌を食べている間、たった5分程度のことなので、あなたにも実践していただきたい。
2-2. 少しずつ与えてみる
ドクターフィッシュの飼育する環境が変わった場合には、しっかり食べきることができるかどうかをチェックする必要がある。
特に、あなたが新しく水槽を立ち上げドクターフィッシュを出迎えたときには、少しずつ餌を与えて様子を伺うようにしよう。
なぜなら、環境が変わったばかりのドクターフィッシュは、水質差にとても敏感であり、餌を与えても普段のような食べっぷりをしない場合がよくあるからだ。
その際に、餌の食べ残しがあったら放置せずに、必ずネットなどですくい上げて処分するようにしよう。
ドクターフィッシュを新しい水槽に入れてからの数日間は、餌を与えるのは控えよう。水質に慣れさせることが最優先だからだ。あなたの水槽にドクターフィッシュが住みやすいかどうかは、水合わせ次第だ。ガラノートが行なっている『水合わせの方法|ドクターフィッシュを水槽に入れる前にやる2つのこと』を参考にしていただきたい。
2-3. 角質を食べた後に餌を与える
主食の餌を与えた後には、副食である角質をあまり食べない傾向がある。
肌に近寄ってきても、すぐに離れていってしまう。
これでは、せっかく飼っているドクターフィッシュを楽しむことができない。そんな時は、主食の餌は1日の終わり(夜)に与える習慣をつけておくと良い。
1日2回餌を与えたい、という場合は、手足と触れ合う2時間前くらいまでに給餌を終わらせておくことをオススメする。2時間ほど、時間を空ければ、いつもと変わらないドクターフィッシュのパフォーマンスを楽しむことができるようになる。
2-4. 餌を与える時の注意点まとめ
そもそもあなたがドクターフィッシュを飼う理由は、手足をついばんでもらう楽しみがあるからではないだろうか。しかし、あなたが間違った餌の与え方をしてしまえば、ドクターフィッシュは最高のパフォーマンスができなくなってしまう。それどころか、逆に体調を悪化させてしまうこともある。
あなた自身がそうならないためにも『ドクターフィッシュ飼育方法|抜群な食いつきのために絶対やること5選』も合わせて確認しておこう。
3. 最後に
いかがだっただろうか?
角質は副食として認識し、ドクターフィッシュには主食として合う餌を弊社ガラノートの普段から行なっている飼育状況を踏まえてご紹介してきた。
このページに書いてきたことは、すべてガラノートが色々と試してきた結果、最終的に行き着いた餌の選び方と与え方だ。
最後に要点をまとめておく。
ドクターフィッシュの主食は、一口で食べられ、水汚れしにくい顆粒状タイプの餌を与えるということだ。
あなたも、このページに書いてある通りに実践していただければ、質の良いドクターフィッシュを飼育することができるようになる。
ぜひ、愛情たっぷりに育てたドクターフィッシュで、あなたの大切な人達を思いっきり楽しませていただきたい。